滴鐘イワキクラゲ
霧の滴が内側の三層のひだにたまる。水圧に応じて外側のひだから緩み、次の層へ順に排滴する。目も脚も声もなく、人へ向かって動かない。菌糸は湿った朽木と苔岩に付着し、落葉と木を分解する。水と分解された有機物は根の回廊にゆっくり入り、ミノガの棲地を支える。

観察区分現地観察
初遭遇地点第 01 · 第01日 · 滴鐘苔岩台
生息地アマゾン無光の陥没穴の外縁、臨時基地と滝の間にある湿った朽木と苔岩に付着する。安全な外縁の段にとどまり、無光の深部には広がらない。
派生形態爪ほどの薄い杯状の幼体、内側に柔らかな三層のひだがある手のひら大の光沢を抑えた耳形の傘。湿った朽木と苔岩に離れて付着し、一つの巨大な塊は作らない。
生息地と環境のしくみ
アマゾン無光の陥没穴の外縁、臨時基地と滝の間にある湿った朽木と苔岩に付着する。安全な外縁の段にとどまり、無光の深部には広がらない。。滝の霧がいくつもの岩段と分かれた集水池を潤す。臨時基地の古い測位浮標は連続音波を送り、岩段から戻る反響によって水圧警報が遅れ、浅い水路の読みが狂う。菌は元から局所の水圧に応じてためた霧滴を落としている。その間隔は浮標の警報より先に変わる。ずれているのは計器の読みであり、菌の故障ではない。
霧の段丘・反響外縁へ ↗行動と生態機能
霧の滴が内側の三層のひだにたまる。水圧に応じて外側のひだから緩み、次の層へ順に排滴する。目も脚も声もなく、人へ向かって動かない。菌糸は湿った朽木と苔岩に付着し、落葉と木を分解する。水と分解された有機物は根の回廊にゆっくり入り、ミノガの棲地を支える。
外縁の霧の段丘にある時刻の指標。滴りと警報を比べると、連続音波の影響が見える最初の区間が分かる。分解作用は根の回廊へ水と養分を戻す。菌は機械式の時計でも、設備の誤りの原因でもない。
形態と識別
爪ほどの薄い杯状の幼体、内側に柔らかな三層のひだがある手のひら大の光沢を抑えた耳形の傘。湿った朽木と苔岩に離れて付着し、一つの巨大な塊は作らない。
- 湿った朽木か苔岩に付く、手のひら大でつやのない耳形の傘
- 一枚の傘の内側に三層の柔らかな杯状のひだがあり、霧滴を順に落とす
- 爪ほどの薄い杯状の幼体と、離れて付く複数の菌群
- 菌糸は外縁の湿った基質に限られ、動物の目や脚はない
観察原則
方とKは傘も菌糸も持ち帰らずに測る。変えるのは人が置いた浮標で、菌や周囲の生き物ではない。集水池の禁入線を守り、未踏の深部について結論を急がない。
朝の光で苔岩の新旧の水痕が見えた。古い浮標の警報は半拍遅い。方は安全な道のそばの朽木に耳形の傘を見つけ、Kは浮標の位置と乾いた退路を記した。傘には触れずに滴りを見守る。