警報より九秒早く
折雨帆イガイ低危険
東雨門根濾し湾の雨は真下へ落ちず、幾重もの浮堤に沿って風に斜めへ押されていた。方と私は整備梯子を下り、根筏の縁へ出る。ポンプ音が届く前に、折雨帆イガイの群体が幅広い殻縁を一斉に畳んだ。方は近づかず、外側の水層へ塩分プローブを下ろして、私に能動ソナーを切らせた。振動より先に閉じるなら、感じ取っているのは音ではない。



「方は呼吸を取り戻した根湾を地図で囲んだ。直したのはイガイではない。私たちの機械が塞いだリズムを返した。新しいポンプ手順と警戒線を残し、武器は最後まで背に収めた。」— K











