露脈菌糸ガ
夜行性で攻撃性はない。中空の翅脈に露を集め、発光菌花の蜜を吸い、湿った葉縁と乾いた林冠の亀裂の間で胞子を運ぶ。通常は降雨が始まるまで上流に留まる。今回は雨の前に移動し、上流側では翅脈の水分が少なく、胞子滴の分水嶺を越えてから集露が本来の状態へ戻った。

観察層級沿岸補記
初遭遇地点第 01 · 第01日・酸性雨葉縁観測所
棲息地霧冠菌糸河緩衝林の菌糸河上方に広がる巨大な酸性雨葉、発光菌花、林冠の亀裂、垂直水路
派生型態翅脈がまだ透けていない霧白色の幼体、露を通す翡翠色と紫色の翅を持つ成体、一つの葉縁に集まる花粉媒介群
棲地と環境機制
霧冠菌糸河緩衝林の菌糸河上方に広がる巨大な酸性雨葉、発光菌花、林冠の亀裂、垂直水路。巨大な葉が酸性雨を受け止め、鉱物膜と共生菌が根や下層の発光菌糸河へ届く前に酸性を弱める。露脈菌糸ガは、葉先の水分を中空の翅脈に集める。腹部の共生菌が微量の酸を中和し、ガは発光菌花の蜜を吸い、乾いた林冠の亀裂へ胞子を運ぶ。古い霧凝縮塔群が上層林から水分を吸い続けたため、群れは雨が降る前に上流の葉縁を離れた。異常が一度の酸性雨ではなく、霧の継続的な吸い上げによるものだと示す行動だった。
霧冠菌糸河緩衝林へ ↗行動と生態機能
夜行性で攻撃性はない。中空の翅脈に露を集め、発光菌花の蜜を吸い、湿った葉縁と乾いた林冠の亀裂の間で胞子を運ぶ。通常は降雨が始まるまで上流に留まる。今回は雨の前に移動し、上流側では翅脈の水分が少なく、胞子滴の分水嶺を越えてから集露が本来の状態へ戻った。
翅脈の水分は、林冠の水分損失を最初に示す指標になる。酸性雨葉縁観測所からの早すぎる退避、露脈菌灯の斜面で縮小した花粉媒介帯、胞子滴の分水嶺を越えた後の集露回復をつなぐと、上流の霧凝縮塔群が水分を吸い続けていることがわかる。
形態と識別
翅脈がまだ透けていない霧白色の幼体、露を通す翡翠色と紫色の翅を持つ成体、一つの葉縁に集まる花粉媒介群
- 翅開長約40センチで、生物学的に自然な熱帯性カイコガ型の体
- 翡翠色と紫色の翅を横切る、半透明で中空の集露脈
- 酸を中和する共生菌を収めた淡い琥珀色の腹部
- 柔らかな羽毛状触角と、脚に付着した微細な発光胞子
- 霧白色の幼体と、巨大葉の縁に集まる成体の花粉媒介群
観察原則
方とKは群れを追わず、誘導せず、照らさず、標識を付けず、拘束も進路変更もしない。方は群れの外から測定し、自然に落ちた菌花と露だけを採取する。Kは受動式計器を使い、武器はすべて収納したままにして、水循環を乱していると確認できた人間側の設備だけを止める。いつ、どこへ戻るかは生き物に任せる。
酸性雨葉縁観測所で、群れは降雨前に上流の巨大葉から離れた。方は動物に触れずに翅脈の水分を測る。Kは能動照明を切り、群れの外側から足場、風向、退路を記録した。早すぎる退避により、林冠では雨の前から霧が失われ続けていたとわかる。