霧肺バク
短くしなやかな鼻の先では、幅広く連続した二枚の肉質の弁が、中央のはっきりしたくぼみを挟んで合わさる。滝霧を抜ける間だけ閉じる。肩と肋の幅広く浅いひだは皮膚とつながり、胸の動きに合わせてゆっくり平らになり、また寄る。突き出た気嚢はない。外縁で落果と若葉を食べ、苔岩の段へ種を運ぶ。霧圧が下がると、単独の成体は人に近づかず、上層の道で採食を再開する。

観察区分現地観察
初遭遇地点第 02 · 第02日 · 霧肺の落果斜面
生息地アマゾン無光の陥没穴の外縁、臨時基地と滝の間の苔岩の集水段。禁入の無光の深部には入らず、安全な外縁から上層の森へ続く回廊で採食する。
派生形態成体は約三メートル、幼体は約一メートル。成体は多くの場合単独で行動し、幼体がいるときも遠く離れてついて行く。この日の観察対象は一頭の成体で、群れではない。
生息地と環境のしくみ
アマゾン無光の陥没穴の外縁、臨時基地と滝の間の苔岩の集水段。禁入の無光の深部には入らず、安全な外縁から上層の森へ続く回廊で採食する。。外縁の滝は段になった苔岩に霧を送り、集水池を分けている。古い測位浮標が出し続ける音波は岩段で反射し、霧圧と浅い流れを示す警報の読みを狂わせる。バクは圧が変わる前に鼻先の弁を短く閉じ、呼吸を一瞬止める。その間が浮標の音波に乱された霧圧の地点を示す。計器の誤りを起こしたのはバクではない。
霧の段丘・反響外縁へ ↗行動と生態機能
短くしなやかな鼻の先では、幅広く連続した二枚の肉質の弁が、中央のはっきりしたくぼみを挟んで合わさる。滝霧を抜ける間だけ閉じる。肩と肋の幅広く浅いひだは皮膚とつながり、胸の動きに合わせてゆっくり平らになり、また寄る。突き出た気嚢はない。外縁で落果と若葉を食べ、苔岩の段へ種を運ぶ。霧圧が下がると、単独の成体は人に近づかず、上層の道で採食を再開する。
短い閉弁と呼吸の間から、浮標の連続音波で読みにくくなった霧圧の地点が分かる。落果と糞に残る種は、上層の森へなお通じる自然の移動回廊を示す。人が進路を変えなくても、採食によって森と苔岩の段がつながる。
形態と識別
成体は約三メートル、幼体は約一メートル。成体は多くの場合単独で行動し、幼体がいるときも遠く離れてついて行く。この日の観察対象は一頭の成体で、群れではない。
- ずんぐりしたバクの体と短くしなやかな鼻。成体は約三メートル
- 鼻先の二枚の幅広い肉質の弁と、その間の明瞭なくぼみ
- 肩と肋の皮膚につながる浅く幅広い呼吸ひだ。丸く突き出た気嚢はない
- 落果斜面では成体がほぼ単独で行動し、幼体がいても遠く離れて続く
観察原則
方とKが変えるのは人の置いた浮標と観測の間隔だけ。バクを追わず、触れず、近づくために進路をふさがない。外縁の手がかりを、まだ見ていない深部の答えにしない。
霧肺の落果斜面で種の跡が急に途切れた。霧圧が変わるより先に、一頭のバクが短い鼻先の二枚の弁を閉じ、上層の回廊で立ち止まる。方は安全な高台から落果と種の跡を追い、Kは基地との連絡を保った。二人はバクを追わず、途切れた地点を記録した。