回折胞子グモ
8本の脚をウェハーガラス葉の縁に固定し、整った放射状の網を張る。退役試験区の小型飛翔昆虫を捕食するが、方やKを威嚇しない。網に付着した菌胞子は、群れが網を張り直すたびに林床の新しい亀裂へ運ばれる。

観察層級沿岸補記
初遭遇地点第 01 · 第01日・外環光藻水路
棲息地回折菌環保護帯にある、コケに覆われたウェハーガラスの段丘、結露水路、野生化した菌環
派生型態米粒ほどの霧白色の幼体、手のひらほどの銀色半透明の成体、数本のシダ状樹木をまたぐ共同偏光網
HABITAT PROFILE
棲地と環境機制
回折菌環保護帯にある、コケに覆われたウェハーガラスの段丘、結露水路、野生化した菌環。退役した光子ウェハーのガラスは菌糸と樹根に覆われている。ドームの結露水、低レベルの廃熱、保守機械が残した鉱物薄膜が、偏光に依存する棲地をつくった。クモの糸はドーム光をシアン、マゼンタ、金色に分け、互いに衝突する二つの光周期を目に見える形にする。
回折菌環保護帯へ ↗FIELD BEHAVIOR
行動と生態機能
8本の脚をウェハーガラス葉の縁に固定し、整った放射状の網を張る。退役試験区の小型飛翔昆虫を捕食するが、方やKを威嚇しない。網に付着した菌胞子は、群れが網を張り直すたびに林床の新しい亀裂へ運ばれる。
偏光網の角度により、矛盾した光スペクトルがセンサー故障ではないとわかる。林地には相反する二つの光周期が届いており、二度目の周期が来ると全個体が同じ放射糸を変える。
IDENTIFICATION
形態と識別
米粒ほどの霧白色の幼体、手のひらほどの銀色半透明の成体、数本のシダ状樹木をまたぐ共同偏光網
- 8本の脚が明確に分かれた、生物学的に自然な円網グモの体
- 銀色で半透明の腹部と細い暗色の関節
- 甲を走る青緑、マゼンタ、金色の虹彩帯
- コケに覆われたウェハーガラス葉の間に張られた整った放射網
- 網を損なわず糸で運ばれる発光性の菌胞子
FIELD ETHICS
観察原則
方とKは生きた網を切らず、群れも乱さない。自然に脱落した糸だけを採取し、保守機械を林外に止め、クモが棲地内で菌胞子を運ぶ仕事を続けられるようにする。
外環光藻水路の水面には太陽が一つしかないのに、網には二つの時刻が残っていた。方が糸面の角度を追い、Kは光の当たらない位置に暗色の基準尺を固定した。クモは逃げず、反復する誤差を網そのものに示した。