断光ヒヨケムシ
長い触肢で地表温度の勾配を読み、陰の礫地でガラス塵ダニを捕食する。八本脚は連続した陰影内を進む。移動焦点が近づくと、触肢を上げ、前脚を引き、体を低くして、光が過ぎるまで一斉に止まる。網を張らず、サソリの尾も毒針も持たない。

観察層級沿岸補記
初遭遇地点第 01 · 第01日 · 東鏡跡斜面
棲息地消光冷井回廊にある連続した陰影路、つやのない黒ガラス礫、風化した太陽鏡段丘、冷却石槽、岩棚の陰、冷井から流れる霧
派生型態指の節ほどの乳白色の幼体、前腕ほどの黄土色の成体、連続した陰影境界に分散して活動する昼行個体
棲地と環境機制
消光冷井回廊にある連続した陰影路、つやのない黒ガラス礫、風化した太陽鏡段丘、冷却石槽、岩棚の陰、冷井から流れる霧。放棄太陽鏡段丘は昼に熱を集め、夜は鏡面を消光角へ固定して、山谷下降風を地下隧道から三つの冷井へ通す仕組みだった。海門が追日鏡列を遠隔再起動すると、旧制御器は動く生物の影を鏡面の汚れだと誤認し、集中光で追い続けた。断光ヒヨケムシは近づく地表温度差を読み、過熱警報より四十一秒早く一斉に止まった。足跡をたどることで、方とKは個体に触れず、生物を使った再試験もせず、ずれた鏡列を特定できた。
消光冷井回廊へ ↗行動と生態機能
長い触肢で地表温度の勾配を読み、陰の礫地でガラス塵ダニを捕食する。八本脚は連続した陰影内を進む。移動焦点が近づくと、触肢を上げ、前脚を引き、体を低くして、光が過ぎるまで一斉に止まる。網を張らず、サソリの尾も毒針も持たない。
一斉停止線は、海門警報より四十一秒早く現れる鏡熱の予告図になる。熱的につながった陰影を示すことで、冷隙と冷却槽の間に小型捕食者の道を残す。その獲物道は後から夜行性小動物を支え、より広い夜間冷却還流の回廊をつなぐ。
形態と識別
指の節ほどの乳白色の幼体、前腕ほどの黄土色の成体、連続した陰影境界に分散して活動する昼行個体
- 生物学的に無理のないヒヨケムシ型の体にある八本の脚と長い感覚用触肢
- 前腕ほどまで成長する、つやを抑えた琥珀色の成体
- 過大な毒牙ではない、暗色で短い鋏角
- 黒ガラス礫の熱に適応した幅広い足裏
- 近づく鏡面焦点の縁で見せる一斉停止姿勢
観察原則
方とKはヒヨケムシを追跡、捕獲、接触、移動、誘引せず、照準も打撃も行わない。方は活動線の外から非侵襲計器で測る。Kは武器を固定したまま受動記録を使い、人造鏡の軸だけを直し、証明のための再起動をしない。止まる時と渡る時は動物自身が決める。
東鏡跡斜面で、方は陰影の縁を進む黄土色の小さな列を見つけた。Kは能動走査を止め、受動光度計だけを使った。ヒヨケムシが一斉に止まり、その四十一秒後、追日鏡の焦点が前方を横切った。危険の原因は動物の敵意ではなく、校正されていない制御プログラムだと分かった。