整備網に絡まった幼獣
幼獣が整備網に絡まっていた。先に母獣の巡回経路を読む。急げば、救助が威嚇に変わる。

当日の観察
外環の浅瀬から旧潮汐観測所へ向けて内側へ進んだ。同日の各地点は徒歩か短距離用の湿地艇で移動できる。
朝 · 断潮育幼湾
整備網に絡まった幼獣を見つけた。近づく前に、成体雌の巡回経路を観察した。
昼 · 鉱殻浅瀬
方が遠隔操作で留め具を外す。私は横に立ち、威嚇の意思がない姿勢を保った。
夕 · 淡水殻池
幼獣が成体雌の背甲へ戻った。母獣はしばらく留まり、それから去った。
棲地の因果
ドームの暖湿排気、海水の流入、旧潮門の圧力放出、水没した金属構造物が低周波の共鳴する湿地を形成する。誤作動した潮門が群れの移動経路を分断しており、異常が食物網全体に及んでいると分かった。
種の行動
潮殻育母獣は大型の半水生草食獣だ。成体雌は背甲に淡水を蓄え、幼獣をそこで休ませる。幼獣か背甲の水場が脅かされた場合にだけ突進する。
「幼獣は母獣の背にある水場へ戻った。これ以上、近づく理由はなかった。」


