泥栓は上流を指していた
新しい泥で塞がれていたのは、上流側の開口部だけだった。方は浸透水を読む。私は脱皮区画の外側で、足場になる根、風向、退路を記録した。カニが川を塞いだのではない。安全ではなくなった側を示していた。

当日の観察
蛙鳴き還流水門の下に残る菌糸河の流れをたどり、板根が密集する根水路ヨロイガニ河岸へ入った。築渠群の外縁から、カニが落葉を運ぶ短い経路に沿って菌糸河落葉溝へ進む。葉に残った痕跡を上流へ追うと、合金根橋水門に着いた。根の下の古い排水管は第三霧凝縮塔へ向かっていた。
朝 · 根水路ヨロイガニ河岸
群れは上流側の巣穴だけを新しい泥で塞いでいた。方は水量、酸性度、移動方向を分けて調べる。私はすべての能動武器を収納し、築渠線の外側に留まった。泥栓が霧凝縮塔側だけにあることから、水が消えるより先に水質が悪化したとわかった。
昼 · 菌糸河落葉溝
方はカニがすでに運び出した落葉を調べた。採取したのは自然に離れた試料だけだ。表面の鉱物性の焼け跡は通常の酸性雨ではなく、霧凝縮設備の濃縮排水と一致した。私は巣の構造ではないと確認できた緩い合金片だけを取り除いた。
夕 · 合金根橋水門
カニが築いた天然の水路はすべて残した。私は浸透アーチを押さえていた緩い門板を一枚だけ持ち上げ、方は整備側から酸性排水管の位置を確かめる。根橋の下の管は第三霧凝縮塔へまっすぐ続いていた。
棲地の因果
根水路ヨロイガニは落葉、菌床、腐植を分解し、泥の多孔質アーチを築いて、密集した板根の間へ菌糸河を通す。鉱物質の甲羅は酸性雨に耐えるが、脱皮区画には清浄な水が必要だ。再起動した霧凝縮設備の濃縮酸性排水が合金製の根橋の下から流れ込むと、群れはその側の開口部を泥で塞いで脱皮場を守った。運び出された落葉の焼け跡は通常の雨と排水を区別し、橋の下の排水管は両方の手掛かりを第三霧凝縮塔へ結んだ。
種の行動
6本の頑丈な歩脚と2本の鈍いハサミで落葉を分け、腐植をかき混ぜ、浸透アーチを維持する。警戒心は強いが、攻撃はしない。私たちが脱皮区画の外側に留まると、近づかずに作業を続けた。汚染側だけを閉じ、ほかの根水路は残していた。
「カニの水路へ入る必要はなかった。泥が、もう方向を描いていた。人間側の障害を一つだけ外し、生きた構造はすべて元の場所に残した。」


