風の通り道が外へずれる
冷たい霧で索道支柱は一部の輪郭しか見えなかった。上空の風の通り道で飛行線が外へずれる。方は風向旗の影を確かめ、私は柵の内側で索道の一定の脈動を記した。高空に一羽の幅広い翼と羽毛のない首が見えた。

当日の観察
朝は雷索の高空風窓で飛行線のずれと風向き、索道の脈動を記す。昼は羽軸静電観測点から受動式の望遠レンズで空洞の羽軸と翼端の放電を見て、照明は使わない。夕方は断崖の還流風帯で遠隔の停止時間を確認し、一羽が自然の風に乗る間に退く。
朝 · 雷索の高空風窓
冷たい霧の中、索道支柱は輪郭の一部しか見えなかった。上空の風の通り道で飛行線が外へずれる。一羽のコンドルが上空を横切った。幅広い翼、羽毛のない首、空洞の導電性羽軸が輪郭を際立たせ、翼端からは微かな静電気が逃げる。方が風向旗の影を確かめる間、私は柵の内側で索道の一定の脈動を記した。鳥は草斜面と岩崖の上を巡り、自然に死んだ高山動物の残骸を食べて養分を山へ戻す。飛行線の変化と古い鉱道の連続振動は重なっているかもしれない。でも一度の飛行だけで斜面全体の原因は決められない。私は風向き、石段、時刻を記し、前日の手掛かりとも比べた。方に頼まれ、安全な退路も地図に入れた。
昼 · 羽軸静電観測点
観測点から照明を使わず望遠レンズを向けると、空洞の羽軸と翼端から逃げる微かな静電気が見えた。私たちは離れたまま記録した。方と私は翼端の変化を索道の脈動、風向き、外縁の岩の地衣類、草帯、獣道と比べた。局所的な静電気も古い鉱道の振動も、風の通り道に影響しうる。一つの観測だけで鳥を設備故障の原因にはできない。私は時刻と退路を地図に補い、広い斜面についての結論を急がなかった。
夕方 · 断崖の還流風帯
索道がしばらく静まった。一羽のコンドルが断崖の自然な還流風に沿って滑空する。遠くの個体とは空域を分けていた。私たちは遠隔で停機の時間を確保し、鳥を呼び寄せずに観測点から下がった。私は飛行線を風、石段、時刻、前日の手掛かりと鉱道の記録に照らした。棲地を避ける補修路を選ぶ理由にはなる。でも一羽の飛行だけで山全体の原因は決められない。方が帰路を確かめ、私は地図に残した。山には山のリズムがある。設備のほうが道を譲れる。
棲地の因果
古い索道支柱を伝わる鉱道の連続振動は、草地の獣道と上空の風の通り道の観測値をずらしうる。局所的な静電気も影響する。滑空高度と翼端の微かな放電は、風、石、地衣類、草、獣道、過去の記録と比べる手掛かりであり、それだけで原因は決められない。遠隔で短く索道を止め、棲地を避ける補修路を選べば自然の還流風を残せる。
種の行動
幅広い翼と羽毛のない首をもつ一羽のコンドルは、草斜面と岩崖の上を巡る。空洞の導電性羽軸を伝わる微かな静電気は高空の風の中で翼端から逃げる。自然に死んだ高山動物を食べて養分を山へ戻し、遠くの個体とは領空を分ける。
「退路と鳥の通る風の道を同じ地図に残した。設備のほうが道を譲れる。」


