灰燼羅針貝
地熱亀裂の化学合成藻を歯舌で削り取って食べる。同心円状の殻板に磁鉄鉱が蓄積し、群落全体が見えない磁力線に沿って並び、磁極が反転すると一斉に方向を変える。

観察層級沿岸補記
初遭遇地点第 01 · 第01日・黒砂針浜
棲息地断針熱潮峡の濡れた玄武岩、黒砂の潮溜まり、地熱藻帯
派生型態米粒ほどの透明な幼貝、手のひらほどの黒銀色の成貝、数百匹からなる螺旋状群落
HABITAT PROFILE
棲地と環境機制
断針熱潮峡の濡れた玄武岩、黒砂の潮溜まり、地熱藻帯。磁鉄鉱を多く含む玄武岩は、長年の雷雨で帯電し、潮位と地熱噴気の変化に合わせてゆっくり電荷を放出する。冷たい海水と青緑色の地熱藻が餌場を作り、貝の配列が磁極の変化を可視化する。
断針熱潮峡へ ↗FIELD BEHAVIOR
行動と生態機能
地熱亀裂の化学合成藻を歯舌で削り取って食べる。同心円状の殻板に磁鉄鉱が蓄積し、群落全体が見えない磁力線に沿って並び、磁極が反転すると一斉に方向を変える。
同期した方向転換によって、コンパスのずれが風嵐港の機器故障ではなく、フィヨルド内の周期的な磁場によるものだとわかる。
IDENTIFICATION
形態と識別
米粒ほどの透明な幼貝、手のひらほどの黒銀色の成貝、数百匹からなる螺旋状群落
- 海産巻貝として自然な体の作りと、低い円錐形の殻
- 同心円状の羅針盤に似た隆起を持つ黒銀色の磁鉄鉱殻板
- 濡れた火山岩に密着する、筋肉質な灰青色の足
- 青緑色の地熱藻の周囲で規則正しい螺旋を作る数百匹の群落
- 機械式コンパスのずれと一致する群落全体の方向転換
FIELD ETHICS
観察原則
方とKは貝を動かさず、採取もしない。受動的な比較だけを行い、採食中の螺旋から離れ、答えを急ぐために配列を壊すことはしない。
黒砂針浜で群落全体が同時に方向を変えた。方が殻の模様を調べ、Kが機械式コンパスを濡れた岩に置くと、貝の配列と針は同じ角度だけ偏っていた。