銅色の脈を避ける道
冷たい霧に古い索道の支柱が半分隠れていた。岩の新しい銅色の帯は古い帯と揃わない。方は柵の外で立ち止まった。私は次の値を読む前に、地衣類を避ける上の道を記した。

当日の観察
朝は銅脈の霧岩段で色帯を比べる。昼は地衣の吸着面で遠くから金属値を読み、採取灯を消す。夕方は外縁の薄土台で乾湿の境を守る道を高所から記し、石段の上へ退く。
朝 · 銅脈の霧岩段
冷たい霧の中、古い索道の支柱は一節しか見えなかった。石段の新旧の銅色の帯がずれている。その間の地衣類ははっきり見えた。手のひら大の幅広い灰緑色の裂片が重なり、裏面には銅色の吸着脈と短い黒い固着糸がある。方は安全柵の外から岩肌を比べる。私は上段で迂回路と帰り道を記した。この生き物は休止鉱山の外縁で微量の金属を留めるが、冷たい霧と乾いた岩が交互に現れる場所にしか育たない。古い鉱道の振動も続いている。二つの変化が重なっていても、一本の帯では斜面全体を語れない。私は風向き、石段、時刻を記し、前日の手掛かりとも照らし合わせてから判断した。
昼 · 地衣の吸着面
離れた観測点から、裏面の吸着脈と短い固着糸が見えた。鉱物を含む滲み水は薄土へ直行せず、岩肌に留まっている。方は非接触の金属値を広い斜面の値と比べた。私は柵の外で採取灯を消す。地衣類は採らない。銅色が濃い所から淡い所へ変わる位置は滲み水の境かもしれないが、生きた警報器の故障表示ではない。朝の石段と同じ風向きを記録に重ねた。まだ観測は少ない。索道だけを山のすべての変化の原因にはできない。
夕方 · 外縁の薄土台
霧が退き、離れた地衣類の群落が湿った岩と乾いた岩の境に沿って見えた。その先の薄土には、新しい鉱車の轍がない。方と私は石段を離れ、高い所から守るべき細い帯を記した。値を確かめるために車輪を通す必要はない。地衣類は微量金属を留め、斜面の薄土は最初の草を支え、獣道はその先に続く。私は三つの場所を照らし、棲地の外を通る補修路を描いた。方は退路も同じ地図に入れてと言った。私はそうした。山には山の節律がある。設備のほうが道を譲れる。
棲地の因果
古い索道の支柱が補修時の連続振動を冷たい霧の段丘へ伝え、鉱物を含む水が外縁の岩へ滲む。銅脈イワゴケは乾湿の境で微量金属を留め、薄土を守る。三つの地点の比較は境を絞るが、山全体の変化を証明しない。補修路を迂回させれば、人の圧力を棲地から離せる。
種の行動
指先ほどの幼い丸い裂片と、手のひら大の滑らかな灰緑色の層が離れて付く。裏面の銅色の脈は微量金属を吸着し、短い黒い糸が岩に固着する。冷たい霧と乾いた岩の交互の境に育ち、人へ近づかず警報にもならない。
「地衣類は岩に残し、退路は地図に残した。棲地を動かす前に、鉱道を曲げられる。」


